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束の間のヴァカンス 2016年5月 発売

Profile : the Letters

皆様、お元気にお過ごしでいらっしゃいますか?

束の間のヴァカンスで、ハワイ・マウイ島にある友人の別荘に来て居ります。本来、休みの時は出不精なのですが、「生きている間に一度はおいで」との言葉に誘われて、今まで何となく食わず嫌いで敬遠していたハワイに、初めて足を踏み入れました。

東西の2つの火山島が数十万年前の噴火によって繋がったと推定されているマウイ島は、左(南)側を向いた女性のプロフィール姿。友人宅が建つ西マウイ・カパルアの丘は、女性の頭部に当たる場所で、1795年にカメハメハ大王がハワイ王国の都に定めたラハイナから更に16㎞ほど奥に入った閑静な別荘地です。正面左右にラナイ島とモロカイ島を望む高台は人影も見当たらず、鎌倉で育った私がリフレッシュの条件にしている「海」と「歴史」を見事に兼ね備えています。

海原を白々と輝かせて金星を道連れに南側のラナイ島へ沈む満月を眺めていると、日の出を知らせる鳥のさえずりが始まります。朝食をねだりに来たホオジロの仲間で鮮やかな赤い頭のコウカンチョウ(Red-crested Cardinal)がおとなしく写真のモデルになったご褒美にパンを与えて、流れる雲が織り成す文様を追ううちに、にわか雨が降り出し、数分後にはカラリと腫れ上がって沖の島に架かる二重の虹。3055mのハレアカラ火山麓にある東マウイ・クラ周辺でドライヴしたジャカランダの並木道は、リラを彷彿とさせるラヴェンダー色の花が満開で紫のトンネルになっていました。巻雲を金色に染めてモロカイ島のシルエットを浮かび上がらせながら落ちる陽を肴に杯を傾けて一日が終わります。

予想を遥かに上回るリラックスの数日は明日への活力を生む源。今後共、どうぞよろしくお願い申し上げます。

カパルアにて、2016年5月

矢崎 彦太郎

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