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ツクツクボウシが鳴き始めた世田谷より 2011年8月 発売

Profile : the Letters

皆様、酷暑の後には、タイやインドネシアも顔負けするくらい凄まじいスコールに見舞われて急に涼しくなり、不純な気候が続いて居りますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか? パリでも、一晩明けると、10℃位温度差があるのは珍しくなく、変化の激しい気象は地球的な規模で拡がっているのではないかと思われます。

8月中旬は、毎年恒例になって居ります蓼科のサロンコンサートに家内が出演し、私はいつものように司会でお手伝いを致しました。早いもので9回目の今年は、ベルギーから友人のオーボエ、コールアングレ奏者も参加して、ソロ、デュオ、トリオ、カルテットと変化に富んだ室内楽を繰り広げ、100名以上の措きゃう様がお集まり下さいました。4年ぶりに原稿用紙を持参しない蓼科で、のんびり読書三昧の日々を送ろうと、ベケットのプルースト論等数冊持ち込みましたが、気がつくと、散策の合間に浮かんだ事をメモ帳に書き付けていて、音符と文字の間を右往左往sる意識は、この数年間に習性となってしまったのかも知れません。

明日は韓国に参り、釜山で開かれるフェスティヴァルのオープニングコンサートに東京シティ・フィルと出演致します。1975年にイギリスのBBCで協演して以来の親友であるパリ在住の韓国人ヴァイオリニスト、ドン=スク・カンがソリストなので今から楽しみです。

10月1日のティアラ定期のご案内を同封致します。シューベルトの美しく流れる旋律の陰には、天国と地獄が背中合わせに共存する深淵が垣間見られます。それは、モーツァルトの「疾走する悲しみ」に一脈通じるパラドックス的世界でもあります。ハープコンチェルトの典雅な響きと合わせて、お楽しみ戴けたらと思っております。

東京にて、2011年8月

矢崎 彦太郎

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